うなぎの寝床

うなぎの寝床 ららぽーと福岡店

商業施設の中での役割とは何か?

まさか、自分たちが「ららぽーと」などという商業施設に出るなどとは微塵も考えなかった。開業は2022年だが、確か一番最初に三井不動産の担当の方がきたのが2019年。その時、開業イメージのパースを見せてくれた。僕は個人的にあんまり商業施設行かないし、商業に出すつもりないなと考えていた。

しかし、その時見せてもらったパースが屋外領域やグラウンドなどを全体の40%くらいはとっていますと説明を受けた。これは、もしかしたら公園みたいな場所になり、商業施設と公園の間くらいの中間的な施設になるかもしれない。それなら出してもよいのかもとファーストインプレッションで考えた。

同時に、うなぎの寝床の店舗は八女のみでやっており、ものづくりに興味ある人とかはもちろん来てくれるようになったが、地域とかものづくりとかに興味がない人に足してどう伝えていくべきか?という課題は常に抱えていた。商業施設というのは、店舗を目的にせずにぶらぶら訪れたりするお客さんも多い。そういう意味では知ってもらう機会にはなる。都市側の地域文化への導入拠点としては重要なのではいか?と考えるようになった。

1年ほど担当の方と色々意見交換し、当初は10-20店舗くらい九州のものづくり企業を集めて、九州クラフトストリート的な構想があったが、コロナ禍も重なり出店できるところが減ってしまい、うちは九州・福岡のものづくりをまとめて担うお店として1Fの中央広場に位置付けてもらい、出店をすることとなった。

商業施設の中だから、バキッとかっこよくという方法ももちろんあるが、従業員の人も長時間そこにいるので、あまりストレスがかからないような内装として八女流さんの八女杉を採用しながら、店内の内装はリズムデザインの井手健一郎さんと議論しながらつくっていった。壁面には直売所のようにものづくりが総覧できるような装置をつくった。とてもよい空間になったと思う。

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INFORMATION

プロデュース
うなぎの寝床 白水高広・春口丞悟
建築
リズムデザイン 井手健一郎