山下清_あるがままの自分に正直に生きよ/別冊太陽-日本のこころ
山下清の著作
山下清の生誕100年の展示会を見てきた。正直全然期待していなかったのだが、めちゃくちゃよかった。幼少期の荒い虫の切り絵の作品も素晴らしかったし、有名な長岡の花火は、図録が動画でみるよりも、現物は素晴らしかった。人の一人一人の表現も繊細に切り絵でされているし、コンセプトも戦争でドンドンと爆発させるよりも、花火でドンドンなった方がいい。みたいな。発想も素晴らしいし、この時代を生きた人なんだなと感じた。他にもゴッホのアーモンドの花を思わせるぼけの花の作品や、自分の顔、鉢花などが私は好きだった。戦時中に描いている軍艦や高射砲などの作品も、時代と表現が入り乱れていて、表現としても素晴らしかった。
晩年は切り絵だけでなく、点描画や、普通の絵画も描いている。表現は細かくなり上手になっているが、荒々しい戦時中や切り絵の初期-中期が、勢いがあって面白いなと思う作品が多かった。
今回、生誕100年の図録はamazonに出てなかったので、別冊太陽の本をおすすめしておく。
目次
「裸の大将」として親しまれた放浪画家・山下清。おかしみのある言葉や感性光る言葉を、貼り絵作品とともに紹介。『きょうの猫村さん』の作者、ほしよりこのマンガも掲載する。
【目次】
〈特別寄稿〉山下清の旅日記 ほしよりこ(マンガ)
KIYOSHI YAMASHITA 1922-1971
評伝 山下清 山下浩
・清が少年だった頃
・ぶらり放浪の旅へ
・有名人になった清
・成功と不自由
1)貼り絵との出会い 1922-1940
●作品とことば
・学園生活
・風景・静物
・戦時中
2)逃亡と放浪 1940-1954
●作品とことば
・花々
・スケッチブックより
・太平洋戦争
・戦後の風景画(1949-1950 )
・スケッチブックより
・戦後の作品(1951-1955)
3「画伯」、全国へ 1955-1960
●作品とことば
・ペン画のはじまり
・風景(1956 -1960)
4やっぱり日本が一番 1961 ?1971
●作品とことば
・ヨーロッパ旅行
・新東京十景
・晩年の貼り絵
・東海道五十三次
寄稿
・山下清の登場と芸術界からの逆風 服部正
・「日本のゴッホ」と呼ばれて 中村高朗
・西欧近代絵画史で読み解く 中村高朗
・世界の放浪の素朴画家たち 遠藤望
・陶芸と「放浪の画家」のイメージ 藤原貞朗
山下清 年譜