マリオや京都庭園はレイヤー、ベルサイユ宮殿はパースペクティブ。これは、文化によって規定されている
チームラボの作品は、背景が空間でつくられている。しかし、それを見た人から「何レイヤーでできているのか?」と何度も何度も聞かれる。しかし、レイヤーではつくっておらず、空間でつくっている。なんで、こんなに聞かれるんだろう?と紐解いたという話。
マリオが生まれた任天堂は京都で生まれた。京都は日本ならではの町屋や日本庭園が残っており、日本庭園というのは、室内空間から廊下、庭園、壁、奥に山。みたいなレイヤー構造になっており、人が動く動線はレイヤーを垂直にではなく、レイヤーを水平に(廊下を横に)である。これは、マリオの横スクロールアクションと全く同じ論理構造である。なので、マリオは京都という日本の空間認識を持っている場所で必然的に横スクロールアクションができたんじゃないか?という話。
それに対して、ベルサイユ宮殿などの構造は「パースペクティブ」これは、空間認識としてレイヤーではなく、1点を中心に、展開される。横に移動したらズレ、目標物に対して放射状に空間が形成される。西洋の人は自分の動きに対して、いつも世界は正面にある。
洛中洛外図屏風(大和絵)・ドラクエとモナリザ(有名なおばちゃん)の視点の違い
洛中洛外図と、マリオとドラクエは、同じ空間認識で作られている。視点が失われているのである。対してモナリザなど西洋の絵は、見る人と見られる人という視点が固定されていて、入れ替え可能だということ。アメリカの銃をつかったゲームなどもパースペクティブという空間構造でつくられている。
ま、文章にするとわかりにくいので動画を見てほしい。この動画は永久保存版の価値があると思う。
猪子寿之 Toshiyuki Inoko
猪子寿之(いのこ としゆき、1977年4月15日 – )は、日本の実業家。アーティスト集団チームラボ代表。四国大学特任教授。徳島県徳島市出身。東京大学工学部計数工学科卒業。大阪芸術大学アートサイエンス学科客員教授。
チームラボ株式会社(teamLab Inc.)は、東京都千代田区に本社を持つ、デジタルコンテンツ制作会社である。ウルトラテクノロジスト集団を自称し、プログラマ、エンジニア、数学者、建築家、絵師、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、CGアニメーター、編集者など、デジタル社会の様々な分野の専門家から構成されている。芸術的な表現を主体としたコンテンツ制作を得意としている。