RiCE_2024年1月号特集ジャパン・スピリッツ新時代
まずは買ってみて読んでみてほしい!その上で、リンク集をつくってるので参考にポチポチしてみては。
正直お酒はあまり飲まないが、製造工程なども含めて興味はある。櫻井焙茶研究所で緑茶ジンや、紅茶ラム的なものを飲んだ時に、めちゃくちゃ美味いと思っていたが、あまり深追いせずに流していた。日本酒に興味があるのか、ワインに興味があるのか、ビールに興味があるのか、スピリッツに興味があるのか、自分でもよくわからなかった。何度かこのようなお酒の本は買ってみたが、どれもしっくりこなかった。しかし、このRiceの特集が自分にとって何かバチいいぃーーーっとハマった感じだ。ぜひ、この一冊を読んでもらいたい。
※このサイトは、自分のブックマーク感覚で、wikipediaも含めてリンクを貼りまくっています。僕の主観でのリンクなので意見あるかもしれませんが、ご了承ください。
目次 & リンク集
Contents【特集】ジャパンスピリッツ新時代
●日本のクラフト蒸留酒が飲み頃な理由| 田中開(OPEN BOOK)
●スピリッツ・ピープル
・山田杏奈 ×NOMURA SHOTEN
・浜野謙太×OPEN BOOK 破
・山口萌菜(Cyōdo)× きみどり
・南貴之(Graphpaper)× 寄
・加藤シゲアキ × salmon&trout
●酒に「魂」を吹き込むスピリッツ造りを知る 蒸留酒って何だ?
●JAPAN SPIRITS COLLECTION 2023
千葉麻里絵 × 野村空人 × 児島麻理子 × 山口歩夢
●蒸留クロスオーバー
黒木本店/大山甚七商店/瑞穂酒造
●ジャパンスピリッツどう飲む?|大場文武(unknouwn)
●クロスオーバー座談会
小倉ヒラク(発酵デザイナー)×南雲主于三(ミクソロジスト)× 江口宏志 (蒸留家・mitosaya)
●FOOD FOR SPIRITS
・米・麦・芋焼酎と一緒に食べたい料理|野田雄紀(野田)
・ニュー蒸留酒つまみ|西恭平(Neki /songbook)
●とことん楽しめ食後酒時間 蒸留酒と甘いもの|伊藤瑶起(Sputnik)
●千葉麻里絵さんの最先端の焼酎ペアリング(彩響)
●ジャパンスピリッツはどこからやってきたのか?
●FRONT LINE of Craft Gin クラフトジンの最前線
YAMATOUMI farm&distill /Fukagawa distillery /PLOW Distillery GOKA Farm
●ジャパニーズジンの現在地|三浦武明(TOKYO FAMILY RESTAURANT)
●イチローズモルト 十五年の軌跡、三十年の熟成 撮影:若木信吾
●花・海・太陽のラム 房総大井倉蒸溜所
●マイ・フェイバリット・ジャパンスピリッツ
幅允孝(BACH)/西平せれな(西平酒造)/田中三浪(MIDORI.so)/江本賢太郎(Kabi)/佐藤征史(くるり)/今村キャメロン明優美(Quarter Room)/衛藤キヨコ(フォトグラファー)/真野遥(発酵室よはく)/飯塚航(焼酎バーくらげ)/谷垣伸太郎(TANIGAKI)/もみ(小料理屋かまびす)
【連載】
●EDITOR’S NOTE #32
●吉本ばなな「ごはんの秘密」
●福田春美「おいしいユリイカ」
●加藤シゲアキ「サイドカー讃歌」
●渋谷直角 漫画「たこ RICE」
●夢眠ねむ「夢眠書店の料理本棚」
●水樹奈々「RiCE RADIO ~ほうたれ~」
●三浦哲哉「Road to Fish Master」
●遠藤京子「電影食堂 ~映画の中の料理考~」
●森枝幹「オールタイム・ハッピーアワー」
●土谷未央「恥ずかしいおやつ」
●千葉雅也「美味礼讃」
●マキヒロチ 漫画「人間ペアリング」
●弘中綾香「ごほうび飯に甘やかされたい!」
●蜷川実花「FOODHOLIC」(川谷絵音×五目チャーハン)
●川内倫子×竹花いち子「cook me」
本文JAPAN SPIRITS COLLECTION2023で出てきたお酒のメーカー、オンラインショップ、amazonリンク
1_商品:天狗櫻 南果(ノミヤマ酒店) / 白石酒造(鹿児島) / amazon「白石酒造」
2_商品:Flare / 中村酒造場(鹿児島)/ amazon「中村酒造場」
3_商品:SS.L_04 / 薩摩酒造(鹿児島)/ amazon「薩摩酒造」
4_商品:Mizuiro(IMADEYA ONLINE) / 柳田酒造(宮崎)/ amazon「柳田酒造」
5_商品:八重桜 むぎ 熟成(酒屋やよい) / 古澤醸造(宮崎)/ amazon「古澤醸造」
6_商品:フラミンゴオレンジ / 国分醸造(鹿児島)
7_商品:極楽しず寝 1993 / 林酒造場(熊本) / amazon「林酒造場」
8_商品:南の島の貴婦人 / 朝日酒造(鹿児島)/amazon「朝日酒造 鹿児島」
9_商品:shimmer#6 / 米島酒造(沖縄)/ amazon「米島酒造 沖縄」
10_商品:pentaonic one / 松露酒造(宮崎)/ amazon「松露酒造 宮崎」
11_商品:GOTOGIN the origin / 五島つばき蒸留所
12_ALEMBIC GIN HACHIBAN / アレンビック大野蒸溜所(石川)
13_カイカーズジン 愛媛の柑橘とハーブ / 虎ノ門蒸留所(東京)/ amazon「虎ノ門蒸留所」
14_深川粒露 加密爾列(ふかがわつぶろ カモミール)/ 深川蒸留所(東京)
15_HOLON GIN ORIGINAL / HOLON(東京)
16_橘花 KIKKA GIN 朱華 / 油長酒造(奈良)/ amazon「油長酒造」
17_ACOU RUM WHITE / 大山甚七商店(鹿児島)/ amazon「大山甚七商店」
18_OSUZU MALT Cedar Barrel / 尾鈴山蒸溜所(宮崎)/ amazon「尾鈴山蒸溜所」
19_スピリット多田 / 天盃(福岡)/ amazon「天盃」
20_AKAYANE CRAFT SPIRITS 山椒 / 佐多宗二商店(鹿児島)/amazon「佐多宗二商店」
21_スカーレット カスクマリッジ / 伊勢屋酒造(鹿児島)/ amazon「伊勢屋酒造」
スピリッツとは何か?蒸留酒とは何か?
スピリッツとはつまり蒸留酒。日本のお酒である焼酎はもちろん、ジン、ラム、ウイスキーなどのことです。(中略)
日本の蒸留酒という括りで焼酎やジン、ラム、ウイスキーなどをまとめて紹介する特集はこれまでどこもやってこなかったと思いますが、実はこれらクラフトスピリッツは、近年お互いにクロスオーバーしあいながら実にアツい盛り上がりを見せているのです。(中略)
お酒には大きく大別すると二種類あって、醸造酒と蒸留酒に分かれます。前者の代表格にワイン、ビール、そして日本酒があります。後者の代表にウイスキー、ジン、ラム、そして焼酎があります。醸造酒の場合は原料となる葡萄、麦、米などを発酵させてお酒にしたもので、基本的にはそのまま飲みます。対して蒸留酒の場合は、醸造されたお酒をさらに蒸留して造ります。熱で気化されたものを冷ますことによってより純度の高いアルコールと香り(=スピリッツ)を抽出するのです。当然アルコールが高くなりますので、ストレートの他、水や炭酸で割ったりカクテルにしたりして飲むのに適しています。
p007 RiCE編集長 稲田浩
この動画が分類ではわかりやすいかなと。
発酵デザイナー 小倉ヒラクさんのポッドキャスト(youtube)。わかりやすい。簡単に要約すると、蒸留酒がなぜ広まったか?醸造酒は温暖な地域では腐りやすく保存がきかないから、それを再度蒸留してアルコール分を高める。するとアルコールが高まるから保存が効く。焼酎とは何か?連続式蒸留=焼酎甲類、単式蒸留=焼酎乙類。私たちが飲んでいるものは、ほぼ焼酎乙類を飲んでいる。焼酎甲類はホワイトリカー的なものが多い。連続式蒸留の方が、何度も蒸留して手間かかってるのに安いのはなぜ?みたいな疑問、自分もあったんだけど、これにも上の動画内で答えてくれています。そして、本格焼酎(宝酒造ページリンク)は単式蒸留のものに、フレーバーなどをつけずに、純粋な素材から一度蒸留したものを言う。
先ほどの動画の続きだが、アジアの蒸留酒文化について。中国の蒸留酒文化、麹(こうじ)をつかうのはアジアの蒸留酒の特徴。泡盛が注目している一つ。焼酎のルーツは文献にあまりはっきり載ってなくて憶測によるところも多い。日本での焼酎の製造(蒸留酒)は九州が多い。九州は暑いから日本酒(醸造酒)は腐りやすい、味が落ちやすいから、アルコール度数が高く腐りにくい蒸留酒が生まれたのではないか。昔は醸造、蒸留の技術が発達していなかったので高いアルコール度数が出なかったので20-30度だったように推測できる。それを水割りとか、お湯割りしてアルコール度数を薄めて味わうのが日本独自の面白味だと語っている。詳しくはこの動画見て欲しい。まとめると
1_中国でつくっている白酒(バイジュウ)の文化がベースにある(アジア)
2_それが日本に色濃く残っているのが泡盛(沖縄・鹿児島)
3_醸造酒的なものを飲みたいが、味の劣化・保存性が弱いので蒸留することで飲みやすい食中酒をつくろうとしたのが米焼酎(蒸留酒)
4_さつまいも(17世紀はじめに日本に入る)が18世紀くらいに鹿児島に入ってきて、芋焼酎ができあがる。※さつまいもは根物なので台風に強い、塩気にも強い、土の保水力がなくてもよい、という点が九州の立地にあっていた。弱点は冬寒いと腐る。
ジンとは何か?
ラムとは何か?
製造工程から見える商品・サービス・ブランド価値。プロセスとアウトプットと体感の確認。
僕は、わりと製造工程マニア的なところがあるので、ものづくりでも、酒でも、何の材料がどういう経過を追って違う作りかたをされたら、最終製品がどう違うのか?というプロセスに興味がある。例えば服などでも、織りなのか、編みなのか、それがどういう機械でつくられ、糸がどういう加工がほどこされ、素材特性がどうで、その素材はどの土地でどう生まれて、それが、どういう環境によって生み出されてきたのか、人は元来その素材とどう付き合ってきたのか?そういうプロセスに興味がある。そのプロセスは必ずアウトプットされた商品に反映されている。
自分が口に入れるもので追っているのはお茶。八女で事業をやっていたということもあり、お茶はよく飲んでるので、調べる。チャの木という同じ木から、不発酵の煎茶、半発酵の烏龍茶、完全発酵の紅茶と分類される。そして工程で「炒り」で酸化を止める方法や、「蒸し」で止める方法があったり、チャを刈る前の10-25日間くらい、チャに被覆し日を当てないようにするやり方が冠せ茶(かぶせちゃ)というものだったり、ジャスミン茶や、玄米茶など後から違うものを入れたりするものだったり、ほうじ茶のような、煎茶を後で加工するものなどもある。浅蒸しや深蒸しなどで、またあっさりしたもの、甘味が強いものなどに分かれていったりもする。その選択肢は無数にあり、商品からそれを読み取るのはとても面白いし、生産者の人や、お店の人にその確認作業をするのも結構好きだ。そして、自分の中の理論と、生産者や小売業者の理論がずれていることも多い。そして、業界の通例というか、変な慣例みたいなものもあって、理論的におかしいんじゃないか?というところも結構ある。それは、同時に新しい可能性にもつながっている。近年は、お茶の編集をお茶に携わるものではなく、お酒に関わるものや、デザイナー、料理人が編集・ブレンドしはじめて、新たな可能性が見えてきているのではないか?と感じる。スターバックスによる抹茶フラペチーノみたいなものも、新たな編集方法(ノンアルコールカクテル)の一つだと自分は認識している。
若干、話しが脱線してしまったが、このお茶と同じような面白さを、スピリッツには感じる。製造工程がわりとシンプルではあるが、1材料の選定や、その2材料を使った土地にある背景、つくりての意思という3製造工程に関わるものが決定していける領域と、バーテンダーや料理家は編集者的な立ち位置で、カクテルによる異素材との組み合わせ、料理とのペアリング、これによって掛け算は無数に生まれる。そして、試されていないこともまだまだ多い。解釈の余地も無数にある。
この本では、その片鱗が見えた一冊だった。
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