








福岡県・公益財団法人アクロス福岡
うなぎの寝床 アクロス福岡店
福岡県の伝統工芸ギャラリーをリニューアル
トータルメディアさんから、福岡県の伝統的工芸品を伝えるための匠ギャラリーの案件があるのだが、一緒に入札に参加しないか?と声をかけていただいた。福岡県には7つの伝統的工芸品がある。どれも歴史があり面白い。ただ組合事業や行政事業だと全てのつくりてや、産地を平等に扱わないといけないなどの性質が出てくるため、とても難しい議論になることが多い。私たち(うなぎの寝床)はそれぞれの産地と少なからずつながりがある。久留米絣においてはメーカーとして活動している、企画会社と違って伝統的工芸品の在庫を自らセレクトし、買い取ることで主体的に運営ができる。そういう点で社会的な役割として取り組むべきという判断をし、入札に共同で参加することとした。
カフェの運営も条件にあった。伝統工芸品のみだと間口がとても狭くなってしまう。カフェもコンセプトを別で運営するのではなく、八女茶や九州の食材を活かした食物販・カフェを運営している事業者に入ってもらう必要があった。大濠テラスのカフェを運営しているアンドローカルズは八女茶を現代的な形で提供し、九州の食材を使ったお菓子などもつくっている。もともと女性を中心としたデザイナー・建築家の集団である。代表の高倉さんにお声がけをして一緒に取り組むこととなった。
そして、建築は大濠テラス、Craft Inn 手【te】も一緒にやったリズムデザインの井手健一郎さんに。ソフトの複雑な状況と、ハードは解体から事業者・ビル管理会社との調整までコミュニケーションが難しいところをじっくりと設計していただいた。
アクロス福岡の1Fのオープンした場所は、公園側が閉じていて非常口になっていた。誰も人がいなくて、少し死んだ場所になっていたが、この非常口を絶対開けて欲しい!とお願いして(僕はお願いすることしかできない)、井手さんがビル管理会社と粘り強くやりとりしてくれて、法令とすり合わせながら非常口を開き暖簾をちゃんと設置できた。
伝統的工芸品の産地組合の方々との協議もむずかしい局面はあったが、結果的に言うと、アクロス福岡の表面であるところで、文化的な食・ものづくり含めた場所が開いて、めちゃくちゃ魅力的な場所になったと思う。