意心帰/安田侃
東京ミッドタウンに行くときに、必ずよって眺める彫刻家安田侃さんの作品。
数十億年という時を経て作られた大理石は、この地球の一部です。その白い石『意心帰』を地下に戻しました。石に彫られた穴に身を沈めると地球の一部になり、静かな太古の声なき声が石から聞こえてきます。地上より太陽の光が差し込む時、その石は初めて光を視るように白い石の粒子は美しく息づきます。『意心帰』と地上の『妙夢』が共鳴し、空間全体が優しいヒューマンな場になることを願っています。
製作年:2006年
https://www.tokyo-midtown.com/jp/design-art/artwork/
素材:白大理石
サイズ:H1840 x W3220 x D2510mm、18.5t
東京ミッドタウンには、いくつもアート作品が置かれている。
二人のアートディレクター、清水敏男とジャン=ユベール・マルタンが 世界で活躍するアーティストを選定、アートワークをプロデュースしました。東京ミッドタウン全体をさまざまな文化が出会う庭園に見立て、都市とアートの新しい関係を提案します。メインアートはイタリア在住の彫刻家・安田侃による二つの彫刻作品『意心帰』と『妙夢』です。東京ミッドタウンを訪れる人々をやさしく出迎えます。
https://www.tokyo-midtown.com/jp/design-art/artwork/
21世紀を迎えアートは都市を構成する重要な要素となりました。アートは都市を美しくするだけではなく、人々のこころにさまざまに働きかけ、都市に新しい生命を吹き込む役割を演じます。
東京ミッドタウンのアートワークは、アートと都市がこうした新しい時代を迎えたことを告げるものです。東京ミッドタウンのアートプロジェクトでは、計画の当初からアートディレクターとアーティスト、施主、建築家、ランドスケープアーキテクト、インテリアデザイナーなど全ての関係者との緊密なコラボレーションによって計画が進められました。その結果、アートが建築と一体化し、さらには街や庭園の機能とも調和したアート環境が実現しました。
安田侃(やすだかん)プロフィール
1945年北海道美唄市生まれ。東京芸術大学大学院彫刻科修了後、70年イタリア政府招へい留学生として渡伊。ローマ・アカデミア美術学校でペリクレ・ファッツィーニ氏に師事。以降、大理石の産地として知られる北イタリアのピエトラサンタにアトリエを構え、大理石とブロンズによる彫刻の創作活動を続けている。
安田侃さんに関する書籍/関連書籍
個人的にはこの本がおすすめ。アントニー・ゴームリーの彫刻の歴史。素晴らしい。
彫刻の歴史-先史時代から現代まで/アントニー・ゴームリー