うつ病の感覚が人に伝わらない
2022年10月、私は適応障害になり、それは数ヶ月では治らずうつ病という診断に変わりました。その経緯は別記事にしていますが。つらいのは、この感覚が誰とも共有できないということです。色々なうつ病の本を読んだりしましたが、この本が一番、うつ病になった人の「あーこれこれ!こうなの!」という共感に近いなと思ったので、おすすめの本です。身近に精神病にかかっている方がいる方、自分の症状をうまく伝えることができないという方におすすめです。
私も、妻の弟がうつ病だったり、人がうつ病にかかるのを見たことはありました。正直全く気持ちがわからず、気持ちの持ち方の問題なんじゃない?甘えなんじゃない?と思っていました。でも、自分がなってみて、頭では切り替えないとと思いながら、全然体が動かないとか、ぐるぐる頭がネガティブに回るとかを繰り返しどうしようもなく打ちひしがれた経験をしました。
これは、おそらく健常な人と、精神病にかかった人はわかりあえないんじゃないかと思います。ただ、この本は、それを伝えるツールとしてとてもよくできてると思うので、おすすめします。
イントロダクション(本書より引用)
うつを体験した人の「素直な声」を伝える本
本書は、うつ症状に苦しんでいる人の体験を具体的にお伝えすることを目的に、精神疾患を持った人たちが中心になって活動しているNP0法人地域精神保健福祉機構(コンボ)と一緒に作りました。
本書はじめにより引用
いぶん前のことになりますが、うつ症状を体験した方と対談をしたとき人が初めて医療機関を受診したときの様子を聴く機会がありました。「胸を切り開いて、中にあるこの塊を取り出してください!」医師の前で握りこぶしを胸に当てながら、その人はこうおっしゃったそうです。そ
の場面を想像するだけでも胸が痛くなります。
うつ病に限らず、精神疾患を体験している人の苦痛を言葉で表現するのは簡単なことではありません。私と対談したその人は、このような言葉が思わず口をついて出てきたとおっしゃっていましたが、多くの人はどう表現してよいかわからず、その苦痛に圧倒される思いで毎日を過ごしています。わかってもらえない孤独感は、さらにこころを追い詰めていきます。
一方、そうした苦しい体験をしている人の周りにいる人は、その体験がどのようなものか、実感を持って理解することができません。大切な人が苦しんでいるのを目の当たりにして、心配な気持ちでいっぱいになりながらも、どのように手助けすればよいのか、それがわからないもどかしさや無力感を感じています。
うつ症状を体験している人の「わかってもらえない」という絶望感と、周囲の人の「わかれない」という苦しみのために、お互いの関係がギクシャクしてきます。うつの治療にとって何よりも大切な、人と人とのつながりが断ち切れてしまうのです。
本書を作ることにしたのは、こうした体験が繰り返されることのないように、うつ症状を体験した人の素直な声を、多くの人に伝えたいと考えてのことです。
本のリンク
あとは「【保存版】適応障害からのうつ病になって、自分の体感と調べてきた媒体の共有(1年間のぐるぐる思考の記録とケーススタディ)32000文字と長いです。」に自分の体験とおすすめの本等はまとめているので、ご覧いただけると。
本の画像 amazonより引用
目次
●第1章 うつの人が見ている世界
「心の病」で片づけられがちなうつの症状を、100名以上の当事者の方への調査で分かった声から、19のエピソードを通してマンガでわかりやすく解説。
例えば…
・朝起きられないのは ⇒ 身体が岩のように重くなってしまうから。
・話しかけても反応しないのは ⇒ 頭に常に大きなおわんがあるような、現実との間に1枚壁が出来てしまうから。
・突然泣き出してしまうのは ⇒ 自分でも予測できない絶望感の波が急に襲ってくるから。
・周りの声に耳を貸せないのは ⇒ 止めたくても止められない思考のループに陥るから。
●第2章 うつの人の世界に寄り添うコツ
うつの人が周囲の人と関わる上で力になったことや、負担になってしまったことを8つのエピソードを通してマンガで紹介。
例えば…
・「頑張って」と言ってはいけないわけではない。励ましの気持ちを伝えるときの注意点
・「何かしてほしいことある?」は、プレッシャーを与えにくい魔法の言葉
・「この先のことどう考えてるの?」は、最悪の事態を招く可能性のある言葉
その他、「うつの人がしてもらって嬉しかったこと」や「うつの人を支えることに疲れたときは」などのお役立ちページも満載です。