感想
引きこもりとは何か?ということを考えさせられるコントだ。お父さんは30を超えて無職のニートの子どもが家にいるけど、明るく元気にすごしてるので気に留めていない。しかし、テレビで同じ年の子どもの引きこもりが出てきて、社会的問題にされている様子を見て、自分の子どもも社会的に問題があるんではないか?という気持ちになるが、子どもは常に明るく前向きな引きこもりであり、不健全に見えない。この家においては、息子の引きこもりはそこまで問題ではなく、しかし社会的にはそれを問題とみなす風潮がある。その間をうまく描いたコントである。このようなギャップを見つけるのが漫才師、コント師の人たちはスペシャルに上手いなと思う。
同時に、社会的問題というマクロ的な視点と、家庭それぞれの個性というミクロ的な視点は、相容れる場合もあれば、そうでない場合もある。この家庭においては、社会的問題とされる引きこもりと家の状況は、現象としては一致してるが、性質として一致していないということになる。
問題は、マクロな社会的問題という情報に引っ張られて、本来健全だった家庭も問題があると自分たちも社会もみなす場合があるということ。こういうことは大いにあり得ると思っていてそこは難しい問題だなと思いながらこのコントを見ていた。